20220902

うーん。首が回らない。 お手玉をしながら、一輪車で綱渡りをする絵を想像する。 昔は、そういうときも、日記をつけていた。 Googleサイトでやろうと思っていたのだが、iPhoneから更新できず不便すぎて断念。 今書こうとしていること。 ①心の棚卸し・解説 ②…

落語は「誰かになってみる」こと--落語ワークショップで参加者の情緒と表現を引き出す

1.昨日(2022/08/28)、「らくご大隈塾」に参加しました。 講師は「落語教育家」の楽亭じゅげむ師匠(小幡七海さん)! じゅげむ師匠は学生のとき「全日本学生落語選手権」で優勝し、桂文枝師匠に将来を嘱望されつつも、ずっと夢だった小学校教員になりました。…

なぜシャンクスはみすみす娘を見殺しにしたのかーー「ONEPIECE FILM RED」における二つの違和感その2

この記事は前回の続きです。映画のネタバレを含むので閲覧に注意してください。 takayuki0929.hatenablog.com 2 歌声が人々を危機から救済しカタルシスがもたらされるというその全体主義的な筋の進行から一転、推進力を失って墜落したような、呆気のない結末…

歌姫ウタはどうして魔王を呼び出してしまうのか――「ONEPIECE FILM RED」における二つの違和感その1

一方に「偶然見てしまった」と自認されている盗み見がその実「必然的に見せられているものだった」という転倒が、そして他方に能動的にわざわざ覗いているのであって「私が見つめているそれは演技だとわかっている」という自覚のもとに観察されているものが…

『村上春樹のタイムカプセル』を読んで

「村上春樹のタイムカプセル」而立書房 (2022/5/12)、加藤典洋、小浜逸郎、竹田青嗣、橋爪大三郎ほか。 https://www.officehashizume.net/2022/03/08/新刊-村上春樹のタイムカプセル-5月/ ○まず、これやりたいです。僧房のようなところに批評家や関心のある…

ループからの出口を報せる破壊的な存在について:レザレクションズ③

「マトリックス レザレクションズ」を観た。前回の記事の続きです。 takayuki0929.hatenablog.com 映画「マトリックス レザレクションズ」においてはネオが空を飛べるのか否かという謎こそが物語を駆動する力であり、「跳ぶこと」が彼が主体性や自由意志を備…

『千と千尋の神隠し』において千尋はどうして「12頭の豚の中に両親がいない」とわかったのか?:千尋①

千と千尋の神隠しについて、2020年の夏に書いたものを手直しした。長くなってしまったので、読みやすさのために分割して投稿する(g.o.a.tオリジナル版は別に後日上げる)。 * この映画をつぶさに観てもよくわからないところがある。それは以下のような謎で…

「ここがマトリックスだ、ここで跳べ…?」

「マトリックス レザレクションズ」を観た。前回の感想の続きです。 青い薬でも赤い薬でもなく…。「マトリックス レザレクションズ」におけるバッグズのやり方について。 - takayuki0929’s diary https://takayuki0929.hatenablog.com/entry/2022/01/22/0716…

ご挨拶

なんと、g.o.a.tがサービスを終了するのだという。デザインが気に入っていたので、とても残念です。短い間でしたが大変お世話になりました、ありがとうございます。 しかし、仕方がないので、はてなブログに引っ越しをすることにしました。今後、こちらで更…

青い薬でも赤い薬でもなく…。「マトリックス レザレクションズ」におけるバッグズのやり方について。

「マトリックス レザレクションズ」を観た。マトリックスシリーズについて、僕は1と2を観たはずだがあらすじがほとんど抜けてノリしか覚えておらず、3は未視聴である。したがってずいぶんふわふわした理解でものを見ているのであしからず。 1 荘子に「胡蝶の…

原因の根を断つこと――「換喩的世界」としての『シャイニング』論

1 今日ではめっきり数が減ってしまったが、私が子供の時分にはデパートの屋上に「アドバルーン」と呼ばれる広告気球が浮かんでいた。気球からは垂れ幕が下がり、デパートで実施される工芸品の展示や物産展などの催し物の案内をしている。通行人が案内の文字…

『竜とそばかすの姫』における現実描写について。「現実が仮想を保証する」関係を断つための『U』の仮想自己を可能にする「表現」としてのAs

細井守監督による最新作『竜とそばかすの姫』の魅力は、現代社会における新しい現実感覚を描き、その倫理的可能性を提示しようとする志にある。そして、その試みのピークは二つある。一つは、トラウマのために歌を歌うことができない主人公すずが、仮想空間…

バチェロレッテ・ジャパンにおける結末の考察――萌子さんの不可能な誠実さ

※この記事にはバチェロレッテ・ジャパンのネタバレが含まれますので注意してください。 10月31日(土)に『バチェロレッテ・ジャパン (The Bachelorette Japan)』のエピソード8(9話)とアフターローズ(10話)を視聴しました。結末の衝撃に魂がゆさぶられて…

大宮夜景

カウンターの若い女性スタッフからカードキーを受け取ると、汚れた衣服とスナック菓子でファスナーが閉まらなくなった黒いユニクロのトートバッグを肩にかけ直した。荷物の重みでバッグの持ち手が肩に食い込むのを感じる。どうやら今日までの勤務のために、…

『美と実在』を読む。美による異化作用について

今度、中学生と佐藤透『美と実在――日本的美意識の解明に向けて――』という文章を読むのだが、論じられているテーマがあまりに難しく、はっきり言って文章の構成もうまくないので、全面的に書き直して論理をはっきりさせ、これをもって図式化して解説すること…

『千と千尋の神隠し』と「ほんとうの幸」

1.はじめに 本稿は、スタジオジブリ・宮崎駿監督による長編アニメーション映画作品『千と千尋の神隠し』を扱う評論である。2012年の秋に、早稲田大学のサークルである国語国文学会・児童文学研究部会で行ったゼミ発表の続編にあたる。当時、拙い発表を辛抱…

『父と暮せば…』論――死者との対話による内在的救済

あらすじ:昭和23年の広島。美津江は友達をみんな原爆で亡くしてしまった。美津江はひとり生き残った負い目からひとめぼれした恋を封じ込めようとする。父・竹造は彼女を励ますが、実は竹造もまたすでに死者なのだ…。 メディアミックス華やかなりし今日、あ…

『王様ランキング』論――「影との対話」で進む人情噺

あらすじ:ある王国にボッジという王子がいた。巨人の両親のもとに生まれたが身体が小さく非力で、耳が聞こえず言葉も話せないのでみんなからバカにされている。いつもどこかに出かけてはパンツ一丁で城に戻るので、大方追いはぎにでも会っているのだろうと…

「情況内現実」について

以下、中央大学の過去問で、安富歩・本條晴一郎著『ハラスメントは連鎖する――「しつけ」「教育」という呪縛』部分を生徒と共に読み、議論した結果僕が考えたことです。 「誤解」と「嘘」は異なる。誤解とはつねに、意識されることなく思わず知らずに間違った…